VoXYについて

VoXYはWebブラウザベースのVNCクライアント環境です。 VoXYを使えば、Webブラウザが使える環境ならどこからでも、あなたのデスクトップにアクセスすることができます。

特徴

VoXYは、幅広いクライアントと通信環境をサポートします。

  • クライアント側はWebブラウザさえあればOKです。
    • クライアントソフトウェアのインストールは要りません
    • 出先で急にアクセスしたくなったときでも、ネットカフェ等から簡単にアクセスできます
    • ウェブブラウザを備えた端末ならほとんど何でも動作します。Wiiなどのゲーム機や、ネット対応TVなども利用可能
  • クライアントとの通信にはHTTPのみを利用します
    • 企業等、制限の強いネットワーク環境下でVNCプロトコルがサポートされていなくても問題ありません

構成

VoXYは、以下のような構成で動作します。

VoXYは、Webブラウザ上で動作するVNCクライアントです。しかし、通常WebブラウザはHTTPのみをサポートするため、から直接VNCサーバに接続することはできません。

そこで、VoXYではProxyサーバを用いることによって、VNCサーバに代わりにアクセスし、画面やユーザ入力の情報をHTTP経由で提供します。

VoXYクライアントは、HTMLとJavascriptのみで書かれており、FlashやJavaApplet等のブラウザ拡張を要求しません。 サーバとの通信は全てHTTPを用いて行われています。 特殊なポートを利用しないので、モバイル回線や企業内LANなどの制約の強い通信環境でも動作することが期待されます。 場合によっては、VNCの通信に制限がかけられている環境でも、VoXYを用いればデスクトップにアクセスすることができます。

導入方法

対象環境

VoXYを用いるには、まずVoXY Proxyサーバを導入する必要があります。

VoXY Proxyは、以下のような環境で動作します。

  • Gentoo Linux (10.1)
  • Debian Linux (squeeze)

依存パッケージのインストール

VoXY Proxyは、Pythonアプリケーションとして作製されています。そのため、VoXY Proxyの導入にあたって、Pythonの処理系と、VoXYが使用するいくつかのライブラリをインストールする必要があります。

VoXY Proxyは、以下のPython環境で動作します:

  • Python 2.6 (ver. 2.6.6で動作確認)
  • ライブラリ:
    • Cherrypy (ver. 3.1.2で動作確認)
    • twisted (ver. 10.1.0 / 9.0.0で動作確認)
    • Python Imaging Library (ver. 1.1.7で動作確認)

これらは、Debian環境では以下のコマンドで導入することができます。

# apt-get install python2.6 python-twisted-core python-cherrypy3

VoXY Proxyのインストール

VoXY Proxyの最新版は、github上で提供されています。

gitクライアントが導入済みならば、以下のコマンドでレポジトリをcloneすることができます。

$ git clone git://github.com/ddk50/voxy.git

もしくは、gitクライアントを導入しなくても、最新版のtarballを用いてインストールすることができます。

$ curl -L https://github.com/ddk50/voxy/tarball/master | tar zxv

VoXY Proxyの設定

targets.cfg ファイルを編集し、VoXY Proxyの接続先の設定を行います。

VoXY Proxyの配布パッケージには、 targets.cfg.example という設定ファイルのテンプレートが付属しています。 これを基に、ユーザ認証情報と接続先VNCサーバの情報を入力します。

$ cp targets.cfg{.example,}
$ vi targets.cfg

VoXY Proxyの起動

VoXY Proxyを起動し、Webブラウザからアクセスできることを確かめます。

VoXY Proxyを起動するには、 voxy.py を起動します。

$ ./voxy.py

VoXYの導入は以上で終了です。 Webブラウザより

http://[VoXY ProxyサーバのIPアドレス]:8012/
にアクセスすることで、VoXYを利用することができます。

お疲れ様でした!

使い方

VoXYはWebブラウザベースのVNCクライアント環境です。

VoXYを利用するには、WebブラウザからVoXY Proxyサーバにアクセスします。 VoXY Proxyは、デフォルトでは8012番ポートで動作します。アクセスするためには、Webブラウザのアドレスバーに以下のアドレスを入力します。

http://[VoXY ProxyサーバのIPアドレス]:8012/

すると、以下のようなログイン画面が表示されます:

ログインするためには、 targets.cfg にて設定したユーザ名とパスワードを入力し、ログインボタンをクリックします。

ログインすると、ユーザがアクセスできるホスト一覧が表示されます:

アイコンをクリックすると、それぞれサーバの起動、停止スクリプトを実行させることができます。

画面のサムネイルをクリックすると、ホストの詳細画面に移動します。

この画面では、接続先のホストに対してキーボード、:マウス操作を行うことができます。 (一部の特殊キーは動作しません) 操作を終えたら、ブラウザの戻るボタンを押すことで、ホスト一覧画面に戻ることができます。

ライセンス

このソフトウェアは MIT License の下で提供されています。